記事: VOL.1 | Smocking Things

VOL.1 | Smocking Things
Director 楫 真梨子が日々形にしているL'AUBE BLANCのモノづくりの裏側、普段は見えないクリエイションのストーリーをお届けしていきます。
今回フォーカスするのは、今シーズンのコレクションでひときわ美しい存在感を放つ「Smocking (スモッキング) 」です。
── 今回のコレクションで特に目を引くのが、スモッキングの技法です。改めて、どのような技法なのでしょうか。
Director:スモッキングとは、生地に細かなギャザーを寄せ、その上から刺繍を施して幾何学的な模様を描く伝統的な技法のことを言います。
今回は「手作業」と「機械」、それぞれのスモッキングが持つ良さを活かしてアイテムを制作しました。
── スモッキングは、実際にどのような工程を経て形になっていくのでしょうか。
Director:まず生地に均一なギャザーを寄せ、その上を一針ずつ縫いながら模様を描いていきます。
その表情もアイテムによって異なっていて、今回はダイヤ柄やビーズを織り交ぜたデザインなどを取り入れました。
特にBeaded Smocked Puff Sleeve Topに施したビーズスモッキングはギャザーを寄せる過程の中で小さなビーズを一つひとつ織り込んでおり、極めて繊細で職人技が光る仕上がりになっています。

── スモッキングだからこそ表現できる魅力や奥深さは、どのような部分にあると思われますか。
Director:平面的な布に、奥行きや陰影を出してくれるところです。
規則的に並ぶギャザーやステッチが生み出す陰影は、プリントや普通の刺繍では表現できない特別な魅力があると思っています。

── 今回スモッキングにフォーカスした背景には、どのような想いがあったのでしょうか。
Director:今回の2026 VACATION COLLECTIONでは、お洋服ひとつひとつのパーツに宿る「繊細さ」を大切にしたいと考えていました。
実際にこれまでのコレクションよりも人の手が加わっているアイテムが多く、職人の手によって重ねられた何層ものディテールや、線画からおこしたカットワーク刺繍などを取り入れています。
その中でもスモッキングはわずかな力加減の違いで表情が変わってしまうため、極めて高い技術と集中力が必要とされる工程があります。機械の大量生産では決して真似できない、一着ごとに宿る特別な佇まいに魅力を感じ、フォーカスしました。

──「機械」と「手作業」、それぞれのスモッキングが持つ表現の違いや魅力について教えてください。
Director:機械によるスモッキングには、美しい規則性や細かな技法を安定して実現できるところに魅力があると思います。
一方で手作業は、ひとつひとつ人の手で仕上げるからこそ生まれる「不均一な揺らぎ」に、温もりや愛着を感じられるのが魅力です。一針ずつ丁寧に紡がれるその表情には、機械では生み出せないやわらかさが宿ります。

機械がもたらす均一な美しさと、手作業が生み出す唯一無二の揺らぎ。
その絶妙なバランスの上に成り立つ今回のスモッキングアイテムは、纏う人を凛と引き立てる、ノーブルな美しさを放っています。
Director 楫 真梨子の想い、こだわりが詰まった「Smocking Things」。その奥深い魅力を、ぜひ肌で堪能していただければ幸いです。
